『社会運動のサブカルチャー化』第二刷:「サブカルチャー」と「サブカル」のあいだ

 『社会運動のサブカルチャー化』第二刷が届きました。これほど高額な本にもかかわらず、多くの方に手に取っていただいて、嬉しいと同時にびっくりしています。何年もかけて書いた博士論文ですし、当然、思い入れもありますが、価格も安くなく主題も多くの方にとっては親しみやすいものではありません。よくああいった本が……と、なんといいますか不思議な感じです。お買い上げくださった皆様、書評などでご紹介くださった皆様のおかげです。ありがとうございます。  先日『社会学評論』(68巻1号)に、中筋直哉先生(法政大学)による書評をお寄せいただきました。本書で論じた「日常―出来事」概念、「バックス […]

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『社会学の力』と「αシノドス」に寄稿、夏の欧州滞在

 最近執筆に参加した教科書・入門記事です。  本年6月に刊行された教科書、友枝敏雄・浜日出夫・山田真茂留(編)『社会学の力――最重要概念・命題集』(有斐閣)に寄稿しています。「社会運動」という章を書いてます。目次(http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641174306)を見ていただければわかるのですが、大変硬派なテキストで、大学院入試の対策にももちろん使えますが、気になる章をパラパラ読んで見るにのもとても適しています。全然余談なのですが、最初お話をいただいたとき「若手中心のテキストで…」とお声がけいただいたのですが、目次を見てみると […]

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8月に参上する読書会・講演会(8/2札幌、8/7京都)

 ちょっと別に書かなくてはならないこともあるのですが、少し落ち着いてから書く必要があることだと思っています。今回は、ゲストとして登壇する講演会・読書会の予定を告知します。お近くにお住まいの方はぜひいらしてください。 富永京子講演会「社会運動としてのツーリズム:カウンターカルチャーからサブカルチャーへ」 日時:2017年8月2日(水)16:30~18:00 会場:北海道大学国際広報メディア・観光学院メディア棟608号室(場所はこちらから)  - 1990年代以降、全世界的にオキュパイ・ムーブメントやサミット・プロテストといった活動が見られ、海外からも多くの参加者が見られます。このときにたびたび問 […]

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頓挫した「ハガキ職人」研究:19年前からの友人、とがわKさんによせて

※今回はあまり研究・教育に関係のない個人的な更新です。  ウェブサイト「ファミ通.com」の「コンピュータ町内会」というウェブサイトで、富永の名前が言及されています。これは、ゲーム雑誌『週刊ファミ通』の読者コーナーのオンライン版なのですが、この読者コーナーの常連投稿者として19年間活躍された「とがわKさん」という方が引退されるということで、引退インタビューが掲載されています。徹頭徹尾意味不明な上、なぜか富永の名前まで出てきます。なんで富永が関係あるかというと説明しづらいのですが…。  実は私がずっとやりたくてやっていなかったこととして、「ハガキ職人」研究があります。そのきっかけは、 […]

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『社会運動のサブカルチャー化』重版決定!+福岡と東京で『社会運動と若者』読書会(東京7/22・福岡7/29)

『社会運動と若者』に続き、『社会運動のサブカルチャー化』も重版決定だそうです。ありがたいことです。この書き方は単純化しすぎですが、『社会運動のサブカルチャー化』で取り扱った生活と運動(日常と出来事、個人と組織)を強くリンクさせた3.11以前の運動と、そのふたつを切り離して捉えた3.11以降の運動(『社会運動と若者』)は、それぞれに魅力と困難を抱えています。例えば最近もバニラ・エア社をめぐる一連の動きが見られましたが、「社会運動」と銘打っていなくとも社会に対して声を上げていく行動は、今も数多く見られます。「社会を変える」そのやり方を考える際に、ぜひとも参考にしていただければとても嬉しいです。 2 […]

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研究員強化ウィークス(夏は客員研究員の季節)&ナサン・マグー読書会

   夏といえば客員研究員の季節(?)ですが、富永研究室でも現在、お三方の研究員の方の受け入れをしています。 – 専門研究員として4月から活動され、環境社会学・社会運動論を専攻されている藤田研二郎さん(http://researchmap.jp/fjtkjr/) – 客員研究員として平和中島財団の支援により6月から7月まで滞在される、情報学・経営学を専攻されているUniversity of Liège の Tommi Tapanainenさん(https://www.researchgate.net/profile/Tommi_Tapanainen2) &#8 […]

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『社会運動と若者』第二刷:「個人化個人化って、じゃあどうすりゃ連帯できんだよ」

『社会運動と若者』の二刷が届きました。オフィスに置いているうちにすぐなくなってしまうので、今回は私にも多めに送っていただきました(写真はそれです)。もし手に入りにくい環境にいるが、読んでみたいという方がいらっしゃれば、とみなが(nomikaishiyouze★gmail.com  ★はアットマークです)までご連絡くだされば販売したいと思います。多少発送がのんびりになると思いますがそれでもよければ…。 いただいたご書評もいずれきちんと紹介しますが、ウェブでもすてきなご感想をいただいています。その中でも、この本で対象とした方々と同世代の人から頂いたご意見は最近とても印象的だったもののひ […]

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学振の申請書を楽しく書こう (BOOK-OFF WRITES) Vol.1 ~プロローグ~

 「ハァ……。」 みなさま、いかがお過ごしでしょうか?   (写真:久々の企画でこんな顔からはじまってすみません。とみながです。)    今回は友人の大学教員・Kさんも一緒です。Kさんもとみながも悩んでいます。なぜ我々がこんなに悩んでいるのかというと…… (写真:Kさんの手元に注目。なにか書類を持っているようですが……)       突然ですが、みなさんは「日本学術振興会特別研究員」ってご存知でしょうか。 大学院に入って研究をしようとしても、研究って結構お金がかかります。たとえば、比較的お金のかからなそうな「文系」と呼ば […]

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学振の申請書を楽しく書こう(BOOK-OFF WRITES)Vol.2 ~買い出し編~

【前回のあらすじ(第一回はコチラ)】学振(日本学術振興会特別研究員)の申請書を書くコツをつかむため、「資金調達の達人」N先生に会いに行ったKさんととみなが。しかし、N先生はそもそも東京にいなかった。時間つぶしに入ったBOOK-OFFで、ふたりは「所持金1080円で本を買い込み、それを元に学振の申請書を書く」というトレーニングを思いつく…。 ルールは3つ。① 本の中身を見ない、② 合計1080円以内に必ず抑える、③ 今回は新書のみに限る! 大学、ワーキングプア、平和、寺……。いろんなワードが二人を惑わせます。 1時間経過し、ふたりともレジに急ぎました。喫茶店に戻って釣果報告をおこない […]

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『社会運動と若者』重版決定! & 出版記念イベント「若者の社会運動とサブカルチャー」 富永京子×鈴木謙介×阿部真大(6月19日(月)19時・大阪)

4月に刊行された『社会運動と若者』ですが、なんと重版決定だそうです。ありがたいことです。私の研究自体はとてつもなく地味なものですが、活動に参加している方々の日々の生活や運動に至るまでの経緯、日常の中での「政治」のありようが親しみやすく、魅力的に映っているからこそ手にとっていただけているのかなと思います。読み手の方にそういうことを少しでも伝えられていて、運動が身近に感じられていれば、本当に嬉しく感じます。 ジュンク堂書店さん、ナカニシヤ出版さんのウェブサイトでも公開されていますが、大阪・ジュンク堂本店で6月19日に『社会運動と若者』刊行記念イベントを開催します。ゲストは、先日「文化系トークラジオ […]

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