毎年2月に来ては日本人女性を困らせるもの、それが「バレンタインデー」である。ある者は高級チョコレートを、ある者は手作りチョコを意中の男性にお贈りする――しかし、毎年お渡しするものであるが故、どうしてもネタ切れの瞬間はやってくる。
富永もそうした「チョコレートネタ切れ」の危機に直面する日本人の一人であった。ましてや富永も26歳、干支ふたまわりと2年。思春期からチョコレートを贈り始めたとしても、そろそろレパートリーが尽きてくるころである。そんなとき、富永が出会ったのはあるひとつのレシピであった。
時期を同じくして、2月初旬、都内某所。富永に呼び出された友人・O氏は、ある部屋にたどり着く。そこにはエプロンを着用した富永がいた。
【これなーんだ?】
おもむろに薄紙を引き広げてドヤ顔の富永に、「え?山岡(注:(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%B2%A1%E5%A3%AB%E9%83%8E)…」と答えるほかないO氏。
【一貫性のないコレクション】
ふと富永の手元を見ると、漫画のコピーがいろいろ。
【一体何が始まるんです?】
おもむろに立ち上がり、湯を沸かし、ボウルに張り始める富永。ボウルに何か入っているぞ。
【デコペン】
どうやら、デコペン(チョコペン)のようだ。デコペンを湯煎で溶かす間、さっきのクッキングペーパーを裏返しにし、まな板の上にセットする。なにげに満賀(『まんが道』)が増えている。
【脇にいる孔明も気になる】
デコペンの先端を切り、山岡の輪郭をなぞる。
【途中までだとやや泥棒っぽい。口のせいかな?】
【できた!】
完成したら、なるべく動かさないようにして山岡を冷蔵庫に入れる。冷やしてチョコレートを固めるのだ。
【ウーロン茶も山岡も同じ冷蔵庫で冷やせっていうのか!】
冷やしている間、もうひとつの満賀道雄(注: (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BE%E3%82%93%E3%81%8C%E9%81%93))にもペン入れ。
【俺の恋人はまんがや!】
線がシンプルなためなのか、結構簡単にできました。余談ですが、まんが道は本当にいい漫画なので万人におすすめです。研究ビギナーの私がいうのもアレですが、研究とも少し似たところがあるように思います。
【つやつやになります】
同じように満賀を冷蔵庫で冷やし、山岡を取り出します。線が固まったのを確認して、次の工程に入ります。
【最終兵器投入!】
用意するのは、ビターチョコレートとホワイトチョコレート。10×10cmのものを6枚程度作る予定なので、それぞれ125gくらい溶かします。(これでも多いくらいですが、少なすぎるとテンパリングがうまくいかないので)ここではテンパリングにあまり労力を割きたくないので、富澤商店https://tomiz.com/のテンパリング用チョコレートを使用しています。
【ぐるぐる~】
蒸気が入ってしまうとうまくチョコレートが固まらないので、チョコを入れたものよりもひとまわり小さいボウルにお湯を張っています。チョコレートが溶けたら、先にビターチョコで色塗りをします。
【デコペンでそのままやっても問題ないはず】
ここでは別の工程にしていますが、先ほどデコペンで線画を描いたときに黒い部分を塗りつぶしてしまっても大丈夫と思います。塗りつぶしたら再度冷やします。
【あと5分待って下さい、本当にうまいチョコレートをごちそうしますよ。】
続きます。
→https://kyokotominaga.com/kyoko-makes-itachocolates-2/