富永ゼミ一期生による2016年度グループ研究「日本礼讃番組はなぜ増加したのか」が、池田謙一編著『日本人は「変化」しているのか』第9章「ナショナリズム」(小林哲郎著)で引用されています。富永名義ではありますが、紛れもなく富永ゼミの学生による研究です。
このグループ研究は、もともと2016年度立命館大学産業社会学部の「ゼミ大会」「国際ゼミ研究交流会」で報告したもので、それを文章化したものを本ウェブサイトに掲載した所、SNSを中心に大きな反響があったという経緯がありました。研究は、過去の先行研究の蓄積の上に自分(たち)の知見を載せ、既存の理論なり分析視角を精緻化したり洗練させたり、といった営みですが、自分たちが「先行研究」になり、引用されるということで、研究という動きにおける、一連のメカニズムを学生に示せたのではないかなと思います。それが彼らの卒業直前に偶然にも可能になって、本当に良かったです。
このことは富永ゼミ一期生の成果をまとめる際にまた書くような気がするのですが、彼らと出会って二年で、一部留学していたメンバー以外はもうすぐ卒業になります。彼らが何かをするたびに、学生ってこんなにも私を遠くに連れて行ってくれるものなんだといつも思っていました。彼らのもたらす新しいものを受け取るたびに、私はいつも、自分がまだこんなに心が動く人間なんだって気づいて、そのことに驚きつつも、本当にありがたく感じているんです。