(いままでのあらすじ)新年ということで、何か新しいことをはじめたくなったとみなが。年賀状撮影のため、ひつじさんに扮して京都を散歩しているうち、今住んでいる場所のご当地ソングで踊ってみたくなりました。早速友だちのO氏とご当地ソングを作ってみて専門家の武田先生にお見せしたところ、あんまりいい感触を得られませんでした。武田先生のアドバイスで、新民謡の歌詞を調べています。
いろいろ見ていくうちに、どうやら結構同じような歌詞があることに気づきました。ひつじさん、武田先生に聞いてみました。
「意外と同じような曲や歌詞が多いんですね」
「そうだね。作曲家の中山晋平はクライアントに既成の曲を見せて、どのパターンがいいか聞いたくらいだから。歌詞でも同様で、ちょっと湿っぽい出会いと別れの話とか、ある程度パターン化されてはいるはずだよ」
「じゃあ、新民謡の歌詞によくあるパターンを調べて、それを組み合わせればご当地ソングができるのでは…」
「うん。できるできる」武田先生、案外新民謡に対して辛辣ですね。
ひつじさん、これを受けてなにを考えたのか、新民謡の歌詞をテキストデータに落とし始めました。
作詞家「野口雨情」と「西條八十」による新民謡を検索し、そのうち92曲の歌詞をテキストデータにまとめました。これを「KH Coder」というソフトにかけて、ある単語が出てくる頻度を出してみます。
KH Coderは、テキスト分析のために用いるソフトウェアです。ここではごく初歩的な使い方として、新民謡92曲の歌詞の中に現れる名詞や動詞、形容詞などの出現頻度を調べています。末尾に公式サイトのURLを紹介しておりますので、ご関心のある方はぜひそこから詳しい情報を得てみてください。
上は分析の結果です。たしかに、ある程度同じような名詞や動詞が出てきていますね。あとは、これにうまく地名を組み込んで、文章にすれば、新民謡の歌詞ができるはず!
【地名と品詞を組み合わせ、歌詞を構成する要素をランダムで生成できるようにします】
ここからO氏にお願いして、プログラムを組んでもらいます。文章を自動生成するというアイディアについては「七度文庫」というソフトウェアを、また地名から歌詞を生成するというアイディアは「校歌ジェネレータ」というアプリケーションを参考にしています。これもKH Coderと同様、末尾にサイトのURLを掲載しています。
数日後、O氏から「できたよ!」という連絡が。自分の好きな地名を入力すると、Google Mapのデータを用いて、自動的にご当地ソングの歌詞を生成する仕組みです。なんと、TwitterやFacebookと連動して、素敵なご当地ソングができたら紹介できるようにもしてくれました。
さて、あなたも下のリンクをクリックして、自分の地元や勤務先、旅行先の「新民謡」を作ってみましょう!
新民謡ジェネレーター(kyokotominaga.com/shinminyou)
というわけで、ここまで読んでいただいてありがとうございました。今回のお正月企画も楽しんでいただけたなら、誠に幸いです。2015年年賀状および新民謡ジェネレーターのメイキングについては、出来る範囲で近日中に公開する予定です!
あなたの2015年が、美しい音楽に彩られた素敵な一年になりますよう、心よりお祈り申し上げます!
本企画の実行に関して、O氏、武田俊輔先生、滋賀県立大学武田ゼミの学生さん、京都を散策していた観光客の方々、ノースランドぺぺさんの協力を得ました。誠にありがとうございます。
企画の中で利用したソフトウェアとして、「KH Coder」(http://khc.sourceforge.net/)、参考にしたソフトウェアとして「七度文庫」(※リンク先には性的なコンテンツを一部含みますのでご注意ください http://homepage3.nifty.com/yuki_nanotabi/)、「校歌ジェネレータ」(http://portal.nifty.com/2013/03/22/a/3.htm)があります。
各ソフトウェア開発者の皆様に心より感謝の意を申し上げます。