富永研究室ジャーナルクラブ・Writing Accountability Group・研究プロジェクト(2025年後期)

 2025年度後期の富永研究室は論文執筆の進捗報告である「Writing Accountability Group」と「ジャーナルクラブ」を開講する予定です。いずれもオンラインを中心として開講予定であり、国内外・学内外のM1〜ポスドク・テニュアの方が10名弱くらい参加されています。分野も社会学・政治学・地理学・観光学・建築学・法学などさまざまです。社会運動を研究する大学院修士課程以上の方は、分野・国籍を問わずご参加いただけます。ご関心をお持ちの方は、ritstominagalab (@) gmail.com までご連絡ください。

 開講予定の「Writing Accountability Group」と「ジャーナルクラブ」は、以下のような内容となっています。

1) Writing Accountability Group(立命館学内の履修者は、社会学研究科「国際社会研究」)
 夏休みにやった研究の進捗共有ミーティングですが、いい感じなので科目化して続けようと考えてます。少し雑談みを出したいので、お昼休み(12:20-13:10)を使う予定です。中途退出なども全然可能です。一応、本年度中に国際学術誌論文の新規投稿を最低一報は目指す、というイメージで進める予定です(もちろん、富永もやります)が、研究分野などによりますので、あまりこだわらずご参加いただければと思います。

2) ジャーナルクラブ(立命館学内の履修者は、社会学研究科「特別演習」or「応用社会学特殊研究」)
 これまでに引き続き、オンラインのジャーナルクラブ形式で行う予定です。
 基本的には「自分の(そして他の参加者の)研究に関連する論文・および論文誌・学問分野における最新潮流」の紹介を行う、というのが目的となります。富永も含め、国際査読付ジャーナルへの投稿を行う予定のある、社会運動および隣接領域を研究する方を参加者・報告者として想定していますが、国内誌を中心に投稿する方や修士論文・博士論文を執筆中の方も参加可能です。
 海外から参加するメンバーもいるため、オンライン会議システム(Zoom)で行っています。日程に関しては、参加者全員で調整しますが、立命館学内の正規履修生を優先します。
 各週、発表担当者一人が、論文1本の紹介と近々報告・投稿する内容(こちらは国内学会・国際会議報告、論文投稿等アカデミックなものであれば何でも問題ありません)の発表を行います。

【今のところの進め方】
 雑誌・論文に関しては、Google Scholarなどで検索して最も自分の問題意識に近いものを探すということになるかと思いますが、社会運動関連に関して広く検討してみたい場合、Mobilization, Social Movement Studies, Interface , Research in Social Movementsなどでタイトル・アブストラクトを検討しながら探してもらえると良いかと思います。これまでに報告された論文も、ジェンダー論や障害学、情報社会学、観光学、政治学、地理学、人類学、日本学などのジャーナルに掲載されたもので、これらに関しても社会運動・集合行動に言及していればもちろん問題ありません。毎年、投稿予定のジャーナルの論文を取り上げられている方が多い印象です。
 人文社会科学系の研究は必ずしも英語が全てではありませんが、基本的には英語で書かれた査読付の論文、また今回はいわゆる「古典」ではなく、公刊20年以内(2000年以降)の研究を対象にいまのところやってみています。報告スタイルはレジュメで作られる方が多いですが、パワーポイント等お任せします。報告言語は英語・日本語、どちらでも問いません。

 論文誌の各領域における性格や概要(研究領域の性格上、必ずしもIFなどで示す必要はありません)、Abstract, Introduction, Previous Research, Method, Data and Results, Discussion and Conclusion の各点について説明し、論文を選定した理由、自分の研究と関連がある理由を述べた上で、紹介した論文の真似したい点、改善すべき点といった感想をまとめるといった形でまずはやってみる予定です。
 報告・投稿する内容に関しては、論文の紹介と関連して、研究内容について口頭で説明する、といった形にしています。

 また、ご参考までに、本年度の研究プロジェクトは以下のとおりです。ただ、参加者の方々はこの二つとは独立にメインの研究を進めておられますので、あくまで接点があれば、参考までに……というところです。
 空き家を利活用した都市空間の自主管理・運営ーースクウォット・DIY研究の文脈から (科研費基盤研究B・民間助成による)
 いわゆるスクウォット(squat)研究やセルフビルド、DIYアーバニズム研究を先行研究としながら、現代日本における空き家を活用したシェルターやコミュニティスペースといった施設運営の社会運動としての側面を検討するプロジェクトです。

 ・戦後日本の政治参加における主体性・自発性と価値相対主義のジレンマ(民間助成による)
 戦後日本社会において、自主的・主体的な政治参加への意識が強まる一方、社会運動・中間集団に対する忌避が高まっていく様態を、革新政党・革新自治体・女性運動・労働組合・保守運動といったアクターから紐解きます。著書『「ビックリハウス」と政治関心の戦後史』の後続プロジェクトです。

9月はヨーロッパ地理学会議で報告してきました。新しい視点の質問が多く、楽しく議論できました。
 

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