2015年9月19日(土)に、早稲田大学戸山キャンパスで開催される第88回日本社会学会大会にて報告します。今回は一般報告ではなく、ベテラン社会学者と若手社会学者との対話というテーマで開催される「若手フォーラム」の一環です。開催校が早稲田大学ということもあり、早稲田大学名誉教授の佐藤慶幸先生と対話させていただきます。
対話に臨むメンバーは、畑山要介氏(早稲田大学、https://sites.google.com/site/hatayamalab/)、富井久義氏(筑波大学大学院)、藤田研二郎氏(東京大学大学院、http://researchmap.jp/fjtkjr/)、そして富永の四名です。
佐藤慶幸先生の議論の面白さは数多くあるように思いますが、個人的には機能やシステムといった点から組織を理論的に捉えた上で、その一事例として「市民社会(実証的な研究対象としては、生活クラブ生協)」を検証しているところかと思います。「NPO」や「生活クラブ生協」について論じた研究は数多くありますが、それを「アソシエーション」という組織の理念型と組み合わせることで、社会変動論と社会運動論の新たな形でのリンケージが可能になっているように思っています。
また同時に、佐藤先生が分析の対象とされた運動と時代と2010年代とでは、大きく市民社会も変容しています。たとえば、市民活動の主な担い手であった人びと(例として「専業主婦」が挙げられるでしょうか)は以前ほど多くなく、また社会の流動化・個人化により、運動を担う人びとの集合的アイデンティティが成り立ちづらいという現状があるのではないでしょうか。こういった変化を捉える上で、「若手」研究者とされる中でもさらに若い、30歳以下の市民社会・社会運動研究者にお声がけして、「10 年代社会におけるアソシエーションの可能性」というテーマのもと、「佐藤理論で現代社会を読み解く」という試みをしようと考えました。佐藤先生との対話はもちろんのこと、対話に臨む若手研究者の方々も非常に面白い研究をされていて、一緒に議論できることを本当に光栄に思います。どのメンバーの議論をとっても刺激的で、新たな社会への視点と着想に満ちています。少し早い時間ではございますが、ぜひ足をお運びいただければ幸いです。