シノドス国際社会動向研究所

先日までゼミ合宿でシンガポールに行ってきました。そのうち、ゼミ生がまたレポートを書いてくれると思います。

私の方ですが、「シノドス国際社会動向研究所」の研究プロジェクトに入れていただいて、立ち上げ準備を進めています。現在、クラウドファウンディングによってご支援を募っておりまして、こちらのサイトに詳しい情報があります(https://camp-fire.jp/projects/view/21892)。

私個人の問題意識というか目的としては、現代社会において、制度政治から民意をすくい上げ、社会を変えるはずの社会運動がなんだか怖いもの、遠いものとされ、「響かない」という点に危機感を持っています。社会運動をめぐるストーリーは、人々の生存のための運動である「労働運動」から、70・80年代の豊かな社会における「新しい社会運動」へと推移したと言われています。「歴史の終わり」と言われた90年代以降も、イラク反戦運動やチェルノブイリ原発事故を受けての世界的な脱原発運動、オルターグローバリゼーション運動やオキュパイムーブメントなど、国内外でさまざまな運動が見られましたが、それがどういった社会変動を反映するものであり、社会運動の実態に対して社会学の理論がどのようなストーリーを与えるか(あるいはよく言われるような、そもそもストーリーのない、「大きな物語の消滅」と捉えるべきなのかもしれませんが)については答えが見えていないように思います。
社会運動をめぐる「ストーリー」の消失は、グローバリゼーションによる社会の個人化・流動化、さらに「政治」が対象とするべき人々が見えづらくなっている実情ともリンクしているのではないかと感じています。こうした事態は、私の問題関心である「社会運動のサブカルチャー化」とも大きく関連しています。

社会運動が「響かない」と内外から言われ、社会運動が何を示唆しているのか明らかになっていない状況で、もういちど政治が対象とする人々のすがたを調査研究によって捉え直す必要があると考え、このプロジェクトに参加しようと考えました。なんか長くなってしまいましたが、ご賛同、ご支援のほど、どうかよろしくお願いいたします。

関連記事