教壇から教壇への気まずい往還

 今学期の講義ももうすぐ終了です。立命館では主担当科目「国際社会入門」といくつかの少人数演習を、関東では慶應義塾大学で「自由研究セミナー」を、また変革のアソシエというところで市民向けのセミナー「社会運動の組織論」を担当してました(こちらは3月8日が最終講義となりますので、ご関心をお持ちの方はぜひいらしてください。と3月7日現在で書いて効果があるものかどうかはわかりませんが……)。 関東での講義はどちらも専門に近い演習だったのですが、学生さんたちから社会運動に関わる上での生の声というか、例えば関心やモチベーションのみならず、抵抗感や葛藤を聞けるのはありがたいことでした。「やっている人」向けの講義 […]

Continue Reading

2018年やったこと

あけましておめでとうございます。ちょっと旧年は自分でもゲンナリするくらい研究できなかった(いや、しなかった……)です。今年はさすがに崖っぷちというか……、きちんと査読論文、何より国際誌、を書かないとな、と思います。 ■2018年研究・社会貢献【論文】1)「カウンターカルチャーとしての旅 – 社会運動のツーリスティックな側面を通じて」『立命館言語文化研究』29(3): 175-190.(査読あり)2)「社会運動のメディア・リテラシー――日常からの逸脱か、それとも日々の延長か」『世界思想』45: 86-90.(依頼あり)3) 「若者のライフスタイル運動との連携の可能性ーー欧州の消費者運 […]

Continue Reading

Kyoko meets Inoshishi-kun [2]

【前回までのあらすじ】富永に会いに行ったものの見つからないイノシシくん。卒論指導をしようと試みるも基礎知識が乏しく、どうしたものかと思っていたところに、生協で有益そうなイベントがあることを知る。イノシシくんは早速研究室を飛び出し、立命館生協に向かうことに・・・。 「イノシシですが参加していいでしょうか?」と問い合わせたところ、生協の方が暖かく出迎えてくださいました。(生協さんはとても親切で、着替えるところまで用意してくださいました。ありがとうございます。何を着替えるかは秘密ですが・・・) イベントにもちょっとずつ人が集まってきています。飯田先生もいらっしゃったので、イノシシくん、さっそくテキス […]

Continue Reading

Kyoko meets Inoshishi-kun [1]

 新年あけましておめでとうございます。皆様いかがお過ごしでしょうか?富永のところにはたまに干支の動物がいらっしゃるのですが、今年はイノシシくんが来てくれました。  山の近くで緑の多いキャンパスに、イノシシくんも故郷を思い出して興奮気味。ちなみにイノシシくんは着ぐるみレンタル・ノースランドペペさんから送られてきたそうです。毎年お世話になっております。  富永が見当たらず、研究室で待っていればいずれ来ると踏んだイノシシくん。最近富永はハガキ職人(雑誌に投稿をする人)の調査をしているらしく、メディア論の教科書があったので、少し借りて読むことにします。すると、一人のお客様がいらっしゃいました。  お話 […]

Continue Reading

10月からはこちらで講義とお話

 10月後半から12月までの講義とお話予定のなかで、一般に公開しているものを並べています(非常勤での講義なども混ぜていますが、ここにあるものは、受講生の方々の許可をいただいて、基本的には参加自由にしています。資料準備等の予定もございますため、参加希望の方は富永 nomikaishiyouze_gmail.com (_は@に変更でお願いします) までご連絡いただけますと有難く存じます)。 – 慶應義塾大学 日吉キャンパス「自由研究セミナー」(隔週金曜日、次回は10/26(金)13:00-16:00)  少人数での文献購読です。10月中は、田村哲樹・松元雅和・乙部延剛・山崎望著『ここか […]

Continue Reading

夏のウィーン滞在:私の心の中の「小姑みたいなやつ」

 8月から9月までウィーンで過ごして、ようやく先日出張報告書を大学に提出しました。証憑書類やらなんやらをまとめてしまったら時間が経ってしまって…。今回の滞在は、2018年度 ソーニャ・カトー&加藤周一・若手研究者育成プログラムによるものでしたが、一部に科研費、公益財団法人高橋信三奨学金を使わせていただいています。  実は、来年度はウィーン大学でサバティカルの期間を過ごすので(ただ、調査や講演で日本に帰ってくることはそこそこありそうなのですが)、ウィーン大学の先生方や学生・院生の方々、ソーニャ・カトーさんと交流ができ、とくに、ウィーンの社会運動や自治空間について多くを知れたことは、自 […]

Continue Reading

同い年の数理社会学者、吉良洋輔さんのこと

 会津大学で教員をされている社会学者の吉良洋輔さんが、2018年9月16日に亡くなりました。31歳でした。  本来、同じ職場である会津大学の先生方や、あるいは東北大の行動科学研究室の方、またPDの受入先であった東京工業大学のVALDESの方々、数理社会学会の会員の先生方といったような、もっとお近くにおられる方がたくさんいると思うので、私などに彼を悼む権利があるのか、そしてこうして文章を書くのが良いことなのかどうなのか、分からないままですが、彼はとても大事なことを私に教えてくれた友人のおひとりですので、こうして書こうと思います。  ある一時期、私はすごく初歩的ですが社会ネットワーク分析にハマって […]

Continue Reading

マイノリティーだから過剰同調する。自分にも覚えがある(毎日新聞寄稿「『生産性』を掲げる背景に」)

 毎日新聞大阪本社版の隔月のリレー連載が、今週の日曜版に掲載されています。ここ最近、じつは、ずーっと「生産性」という言葉が気になっていました。私の政治的な立場や主張とは全く距離のある議員の方が発された言葉でしたが、そうした言葉にみょうな「親近感」があったのもまた確かでした。  少なくとも、私にはただの「非常識な政治家の問題発言」というふうには思えなかったのです。過激な発言によってある種、キャラを立たせようとしてしまう彼女の姿に、勝手になにか重ねてしまうものがありました。  そこで、女性国会議員比率が極端に低いこの国で、彼女に(私に)この感覚を抱かせるものは何なのか、すこし考えてみました。 &# […]

Continue Reading

最近の対談、インタビューなど

・先月から今月にかけて、いくつかインタビュー、対談、コメントが出ているので紹介します。 – 高齢者描く漫画に共感 生きがいや不安、介護などに光当て 中高年読者、自らの将来重ね反響(共同通信発信、7-8月)  『傘寿まり子』『大家さんと僕』に代表されるような、高齢者の登場人物が活躍する漫画の増加についてコメントしています。漫画の消費者層が歳を重ねるにつれ、高齢者が脇役でなく主人公として描かれ、何に悩み、葛藤するかという部分を具体的に描く漫画が増えたように思います。個人的には学生さんにも漫画を読んでほしいなと思ったりしています。 – 世代を超えた社会運動は可能か? 思想押し […]

Continue Reading