学振の申請書を楽しく書こう (BOOK-OFF WRITES) Vol.1 ~プロローグ~

 「ハァ……。」
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

 

(写真:久々の企画でこんな顔からはじまってすみません。とみながです。)

 

 今回は友人の大学教員・Kさんも一緒です。Kさんもとみながも悩んでいます。なぜ我々がこんなに悩んでいるのかというと……

(写真:Kさんの手元に注目。なにか書類を持っているようですが……)

 

 

 

突然ですが、みなさんは「日本学術振興会特別研究員」ってご存知でしょうか。

大学院に入って研究をしようとしても、研究って結構お金がかかります。たとえば、比較的お金のかからなそうな「文系」と呼ばれるような分野でも、聞き取り調査をするために遠方に行かなくてはならなかったり、アンケート調査のような大規模なものであれば調査会社に協力してもらう必要があったりします。集めたデータを分析するためにはパソコンが必要ですし、分析結果をより良いものにするためには、学会で報告することも重要でしょう。論文を外国語で書く場合、その添削をしてもらうお金を払わなければいけません。

ただでさえ研究が忙しいのに、研究のためのお金(人によっては生活のためのお金や大学院の学費も稼がなくてはいけないでしょうし)を稼ぐためのバイトをしていたら、それだけで時間も体力もなくなり、とても研究なんかできる状況じゃなくなってしまいます。「日本学術振興会特別研究員」になれば、2-3年の間、日々の生活に必要なお金と研究費を獲得することができるのです。

ただし、みんながみんな「日本学術振興会特別研究員」になれるわけではありません。研究員になるためには、左にあるような「申請書」を記入して応募し、審査に通らなければならないのです。この申請書には、自分の研究の目的・意義や方法、計画、またそのオリジナリティや社会にもたらすインパクトなどを書く必要があります。学問的・社会的に意義があり、きちんと実行できそうで、お金を出すに相応しいと認められた研究が、日本学術振興会(以下、長いので「学振」と略します)に認められる、ということです。

 

もちろん、Kさんもとみながも大学の教員なので、応募する必要はありません。しかし教員になったらなったで、院生さんに書き方をお伝えする仕事が待っているのです……。

Kさん「書き方を教えるのって自分で書くより難しいな……」
とみなが「難しい。書き方を教える名人みたいな人がいればいいのに。そういう人いないのかね?」
Kさん「東京にいるみたいだよ。G大学のN先生って人だよ」

とみなが「展開が早いな……けど、もう自力じゃ限界だ。会いに行こう」

ちょっと無理矢理な展開で申し訳ありませんが、というわけで、やってきました、東京!!!

「申請書の書き方を教える名人」N先生に会う旅は続きます。
(写真は秋葉原。秋葉原ってビジネスホテルがたくさんあるのでよく泊まります。ウソです。ゲーセンが好きだからです。)

 

とみなが、早速N先生に連絡してみます。
「こんにちは。とみながです。今東京に来てるんですけども…」
「あっ、いま仙台出張でいません」
「えっ、東京いないんですか?」「はい。出張で仙台にいます」

えっ!!!!まさかの展開!!!!

(写真はスマホをいじくるとみなが。この後まさかの展開が待っているとも知らず……ちなみに背景が一枚目と同じなのは気にしないでネ)

Kさん「どうする?」とみなが「しょうがない……」

とはいえ、せっかくの東京。せっかくなので何かして帰りたい!そのために、現在の所持金を確認するふたり…

とみなが「Kさん、今いくらある?」
Kさん「えーと……」

ふたり「1080円……」

ひとりあたり1080円で遊べる娯楽といえば…そう…あれしかないでしょ!

 

じゃじゃーん。

BOOK OFF 秋葉原駅前店です!

とみなが「やっぱりBOOK OFFは癒やしだよね」
Kさん「108円でとんでもない量の知識が手に入るからね。1080円ならその10倍だよ」

秋葉原というとマンガやゲームのイメージですが、新書や文庫も充実しています。

どーん!!!!

※ BOOK OFF 秋葉原駅前店の写真は、店員の方にご許可をいただき、立ち会いのもと写真を撮らせていただきました。本企画の趣旨にご理解いただき、誠にありがとうございます。


Kさん「いいこと思いついたよ!ここで学振の書類書けばいいんだよ」

何を言い出すのKさん。

Kさん「この書棚を見て、申請書のアイディアが思い浮かんだよ。今の所持金で新書を買えるだけ買って、それを資料に学振の申請書を書けば、いいトレーニングになるんじゃない?」

とみなが「ほう……」

なんか突拍子もないアイディアに感じますが、たしかに限られた資料で申請書を書くトレーニングをこなせば、学振の申請書に必要な書きぶりやストーリーテリングのやり方が身につくかもしれません。

ここでKさんととみながは選書のルールを決めました。

<「所持金1080円で学振申請書を書く」(仮)>
① 本の中身は開かず、ジャケットを参考に選ぶ。
② 一冊の価格は問わないが、合計で1080円を超えないこと。
③ 今回は新書に限る。

さて、ふたりはどんな本を選ぶのでしょうか?そしてN先生はこのまま二度と出張から戻ってこないのか?第二回につづく!!

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