「無能なだけの不毛な研究者」

本当はいただいた書評へのリプライや英語論文の刊行など、色々書かなきゃいけないことがあるのですが、先日、ちょっと嬉しいことがあったので、それについて(本年度のちょっとしたまとめも兼ねて)書きます。 Webに掲載されていた、私の初著刊行記念インタビュー(https://honcierge.jp/articles/interview/211)を読んで、いままで社会人としてずっとやってきたけれど、これまでを振り返り、新しい挑戦として、社会人院生として大学院を受験することにしました。といった内容のメールを、見ず知らずの社会人の方からいただきました。自分よりずっと年長の人の背中を後押しすることになるなんて […]

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今週の富永ゼミでは……(たまには富永が執筆)

たまには富永がゼミの報告をしたいと思います。本日は学期末のシンガポール旅行についての話し合い、クリスマスパーティー、国際ゼミ研究交流会、富永ゼミ内定者との交流会の話をした後、いつもの文献輪読でした。 本日から学期の最後まで、山岸俊男『信頼の構造』(英語で読む人は、Toshio Yamagishi, 2011, ” Trust : The Evolutionary Game of Mind and Society”)を読みます。「日本は集団の凝集性が高くて、相互信頼の高い社会だよね!」という一般的な日本・日本人像を社会心理学の実験によって突き崩していく名著です。大阪のおば […]

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Webサイト『ホンシェルジュ』にインタビュー掲載(+ちょっとだけ補足)

連載もさせてもらっているWeb書評サイト『ホンシェルジュ』に、富永と著書『社会運動のサブカルチャー化』についてのインタビュー記事が掲載されました。 「社会運動サブカルチャー」の正体(立命館大学准教授・富永京子インタビュー) https://honcierge.jp/articles/interview/211 最初、「個人的な語りが多くて誰得(誰が得するのかわからない、の意)だけど、面白がる人いるのかね」と友達とLINEしながら原稿を拝読していたのですが、思いのほか好評で驚いている、といった感じです。ライターの烏丸おいけさんに感謝申し上げるとともに、私の「見当違い」について、心より謝罪をいたし […]

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台灣社會学会年会でセッションと講演(11/26・27)

11/26-27、台湾・花蓮にて開催される台灣社會学会年会にて、セッション「Social Movement and Civil Society in Taiwan and Japan: The Possibility of Creating Partnership and Solidarity」と講演を行います。セッションの方は、環境運動、活動家をめぐる逮捕、グローバルな社会運動についてのプレゼンテーションで、日台比較あり、日本についての現状を論じる研究ありと、聴衆の方々にとって少しでも面白いものであればと思っています。 講演に関しては、「新書發表會: 中國因素、東亞社會運動最前線」というカテ […]

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『Filt.jp』に佐藤優さんとの対談が掲載

11月20日刊行のJTのフリーペーパー、『FILT』Web版、佐藤優さんの連載「右肩下がりの君たちへ」に対談が掲載されています。Webサイトがすーごく格好いいです。 http://filt.jp/issue84/s01.html 言葉足らずになってしまっていて、またこの記事だけ見ると十分に議論を重ねられていないところもあり、これは私の不徳の致すところです。すみません。 私の一貫した考えとしては、近年発生した「若者の社会運動」とそれにかかわる一連の現象を論じる際に、彼らの運動を批評する年長者たちが「若者」という存在とその運動の「新しさ」を結びつけて手放しに評価してしまったこと、またその評価の背景 […]

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富永ゼミ×ホンシェルジュ企画(と、その裏話)

いつの間にか一年間連載していた、書評サイト『ホンシェルジュ』の「マンガを社会学する」のスペシャル企画が更新されてました。あまり直接この連載について言及していただいたことはないのですが、直接お会いした方に「面白いですよ」「毎回読んでます」と言われるとニヤーとするような感じで、モチベーションをいただきながらゆるく続けております。そんなホンシェルジュの連載ですが、今回は富永ゼミとのコラボレーション企画として、ゼミ生との対談の中で「マンガを社会学」しています。 【前編】http://honcierge.jp/articles/interview/191 【後編】http://honcierge.jp/ […]

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『週刊ダイヤモンド』11/5号拙著書評(と、稚拙なリプライ)

今週発売の『週刊ダイヤモンド』にて、作家・佐藤優氏による拙著『社会運動のサブカルチャー化』の書評が掲載されました。まさか、週刊ダイヤモンド!いいのか、週刊ダイヤモンド! オンライン版はこちら http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/18373 ですが、定期購読が必要なようなので、書店などで見かけた際にぜひお手にとってみてください。 内容は転載できないのですが、グローバル化に伴う社会の個人化・流動化の中で、運動は共通の敵や目標ではなく、こだわりやしきたりに基づき形成され、「同好の士」によってクラスター化される――という本書の主張にご賛同いただいた上で、「クラスター化 […]

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著書が刊行されました(+雑感など)

平成27年度に、東京大学大学院人文社会系研究科に受理された博士学位請求論文が書籍化・刊行されました。 富永京子,2016『社会運動のサブカルチャー化――G8サミット抗議行動の経験分析』せりか書房.(Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/479670356X/ref=cm_sw_r_tw_awdo_x_m047xbTASJX43 Honto: http://honto.jp/netstore/pd-book_28109735.html) 2008年に行われた北海道洞爺湖G8サミット抗議行動に参加する人々への取材を元にしながら、とりわけ左派やリベラルといったような […]

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セミナー、著書の発売日、学会報告予定

ご無沙汰してます。現在はライデン(オランダ)に客員研究員として来ておりまして、ちょうど滞在も折り返し地点です。今回は文化人類学の専攻でお世話になっているのですが、同じ社会運動でもこう見えるんだとディスカッションのたびに新鮮な感動があります。最近の研究関連としては、以下のような感じです。 1) セミナー(ライデン大学) 9月22日(木)に開催されるライデン大学のセミナーで喋ります。タイトルは “The End of Alternative World”ということで、日本における近年の社会運動の意思決定や組織形成といった「バックステージ」が、どのような意図のもとでおこなわれ […]

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